リズム講座

リズム講座①「なんか全体のリズムがそのジャンルっぽくないんですけど」

「なんか全体のリズムがそのジャンルっぽくないんですけど」

偉そうなネタを立ち上げてまことに恐縮なんですが・・・

きっかけはクラシック畑出身の妻kantarosanが「リズムが難しい」と常々言っていることでした。
僕はそれが専門なんでいろいろ教えてあげようと思っていたんですが、時間もなかなかないし、記事にすれば好きなときに書いたり読んだりできるからいいなと思っていました。
他の読んでいただける方の参考になることも少しはあるかもしれないし。
また、以前マルDスタッフのビバリンが記事で「教えることは学ぶこと」というような趣旨のことを書いていましたし、僕もそう思うので、がんばって書いてみることにしました。

あまり突っ込みすぎずに書きますので、間違いとか追加があればコメントおねがいします。

というわけで第1回

「なんか全体のリズムがそのジャンルっぽくないんですけど」

いきなり僕の大きな悩みから入っております(笑)
なんでこの問題から入ったかというと、細かいフレーズ云々の以前に、土台のノリがかっこよくないといけないと思っているからなんですよ。とくにジャズとディスコあたりで難しいですね。

だいたい答えも持っているんですが、大きく分けるとバンドアンサンブルの問題と、個人の問題に分かれると思います。

バンドアンサンブルの問題

「他のパートもちゃんとリズム出してください(涙)」

元来合奏というのは合わさった音が産物なんですが、とくにグルーヴがシビアと思われるジャズやディスコ(および派生したさまざまな現代ダンス音楽)については、バンドリズムの一体化が必要だと思います。
現在はマルDのようにコンピューターで演奏されることも多く、その場合はこの問題が緩和されますが。
とくに音のアタックが強い4リズム:ドラム、キーボード、ギター、ベースはリズムの達人である必要があります。
つまり、「僕だけの問題じゃない~(ときもある)」ということです。

エピソード:前述のアースにおいては、あるときドラマーが交代したんですが(フレッド・ホワイトでいいのかな)、始めはアースの宇宙的グルーヴを出すことができなかったらしいです。そこでギターのアル・マッケイがリズムを叩き込んだらしいです。

個人の問題

「この問題は楽譜に現れていない」

ディスコビートなんて基本的にはただの8ビートです。
でもそこに宇宙的なビートが隠れており、それを暴き出すのは至難の業です。
ひとつには、楽譜というのは便宜上おおまかに記載してあるものであり、出せる音というのは無限にあることが原因です。
音程は楽器によっては標準化されていますが、リズムは無限のタイミングでだすことができます。
そして、ベストのタイミングというのはごく限られたエリアに存在します。
そのちょっと前だったり、後ろだったりしてもビートが崩れるわけです。
しかもそれはジャンルごとに違うとおもわれます。
あと、音色や音量の微調節もグルーヴには非常に大切だと思います。

リズム講座②
で、ジャンルごとのグルーヴについて

で、ジャンルごとのグルーヴについて


言葉で「グルーヴ」とか「ノリ」とか「ビート」とか使ってて混乱するかもしれませんが、そのときの直感で使うのですみません。よくわからなかったら「ノリ」に置き換えてください。

だいたいの僕の使い方は・・
グルーヴ:演奏全体のリズム的かっこよさを表すとき使います(「ノリ」でもいいんでしょうがこっちがかっこいいんで・・)

ビート:ドラムのたたき出す基本リズムに限定して述べるとき使います

で、ジャンルごとについてですが・・・

①ロック


許されるリズムのゆれが少し広めなんじゃないかと思います。
 少しルーズで荒っぽい方がかっこいいこともありますしね。
 よりテクニカルなプログレなどでタイトさがかなり必要かもしれませんが。
 早めの曲ではツッコミ気味のタイミングがいいかもしれませんね。
 逆にゆっくりの曲では引っ張りぎみにレイドバックがよさそうです。(重い感じで)

②ディスコ


僕としてはひとまず「できるだけとことんジャストで」をこころがけています。
 ベストじゃないかもしれませんがダメージがすくないかなと。
 わずかなユレも要注意です。
 スネアは気持ち遅めでもいいときがありそうです。
 ツッコミタイミングは早めの曲ならありかな???まだよくわかりません。

③ほかダンス系


 生ドラムでやることが割とあるのはあとハウス系ぐらいでしょうか。
 これがまた難しくて、「バスドラムがツッコミ気味」かなと判断しています。
 あと音量バランスが大切です。
 「バシャバシャした感じ」にならないよう、抑えるところは抑えます。

④ジャズ


ドラムはひとまず、原則「少しツッコミ気味」かなと思っています。
 あとはオカズの入れ方、音色で調節ですかね。
 他の楽器がまた問題で、たとえばベースとピアノはジャストかちょい遅め、ぐらいかなと勝手に予想しています。まあほんと、基本リズムだけでなくオカズで  盛り上げていくジャンルなんでその場での調節も重要なんでしょうけど。音色や音量もシビアだと思っています。

エピソード:
サックス奏者のソニー・フォーチュンを若手?日本人ドラマーがサポートしているときのこと。
ソニーに「よけいなオカズはいいからグルーヴをだせグルーヴを!!俺にはグルーヴが必要なんだ!!」と言われしかたないんでジャズ4ビートの基本リズムのみ叩いていると、あげくにソニーが靴のかかとで拍子を刻みはじめた。そのドラマーは「それハシッてるじゃん!ピアノとかとずれるじゃん!」と思ったらしいですが、その足拍子に合わせてつっこんでビートを刻むと、そこにまったく広々としたジャズのアンサンブル世界が開けたらしいです。「そうかーこれで死ぬまでやってられるんか~~!」と思ったとのことです。(かなり前のドラムマガジンのコラムより)

あ、ラテン、レゲエほか民族系はあまりやったことがないんですみません・・

そしてこれまで述べた問題点に対する対処ですが・・・
いろいろあるでしょうけど基本的で非常に効果的と思うことを書いてみました。

①「問題点をよく認識する」


どんな問題でもそうですが、その問題を認識するとしないでは上達の速度が違うと思います。
わずかな1点をめがけて音をだすのと、そのことを知らずに「漫然と8分休符をあける」などではフレーズのキレが変わってくると思います。

②「踊る」


だいぶ前のドラムマガジンでも「リズム感を体得したければまずディスコ(今ならクラブでしょうか)で踊れ!ただしナンパしている場合ではない。」という記事がありました。
 ポピュラー音楽はダンス音楽だったものがかなり多いですが、ふつう4拍子(ワルツは3拍子ですが)で踊ります。グルーヴを身につける場合に、まずは基本ビートとしての4分音符のリズムを体得することはその後の発展の土台になると考えます。
よってダンススポットで4つ打ちに合わせて踊るということで、ポピュラー音楽の起源にふれつつ、グルーヴの基本を体得できるというわけです。あまり早すぎてもタイミングがタイトにならないんで、ディスコ系か、新しくてもハウスかトランス程度がよさそうですが。

エピソード:
(これまた古いドラムマガジンの記事にのってたことですが・・)
僕の尊敬するドラマー「ハービー・メイソン」は、日本を代表するフュージョン・バンド「カシオペア」のプロデュースをしたことがあります。
その新アルバムの収録中、コントロールブースで眺めていたハービーはおもむろに演奏ブースに入ってきて、演奏するメンバーの前で4分音符にあわせてカウベルを叩いたり、手刀で切るような踊りを行ったりしたとのことです。ドラマー神保彰いわく「4拍子のパルスを出せということだったんでしょうね」
そのごろからコンサートで観客が踊るようになってきたとのことです。


③うまいひととやる


仕事なども、できる人についていくと自分もできるようになる、ということがあると思います。
(「自分に熱がほしければ、熱を発している人と行動せよ」という教えもあります。)
うまい人は、周りにグルーヴを放射しながら演奏しています。
その波にのることで、音楽的高みに引っ張りあげてもらえる効果があるとおもいます。

あと、共演はできない場合でも、うまい人の演奏に触れたあと同じイベントで自分のバンドで演奏するのも似た効果がえられます。

次回はメロディ奏者向けをより意識した記事を書きたいと思います。

リズム講座③
ソリスト向けリズムアプローチの提案

リズム講座③
ソリスト向けリズムアプローチの提案

メロディやアドリブを演奏するのに必要なリズム的素養を考えてみたんですが・・

①シンコペーション・アンティシペーション
②チェンジアップ的アプローチ(連続音の譜割りを変えること:8分音符→3連符など)
③ポリリズム
④アクセント移動の音階への応用

意図的なリズム変化としてはこんなところでしょうか

上記要素を踏まえて、「ドラマーからみてアドリブプレイヤーがこんなことをやってくれたらカッコよくてしびれるぅ~(´▽`)」という内容を提案してみたいと思います。

提案のしかたですが、

①上記内容をよく表したリズムシート(基本的な楽譜)を作る
②そのリズムシートをもとに、基本的コード進行に乗ったフレーズを作り、解説・演奏
③ついでにそのリズムシートに基づいたドラムフレーズも作り、演奏する
④できればメロディプレイヤーとドラムが同時に演奏する

こんな感じでいこうかなと思います。